貿易用語集
原材料取引で使われる 133 語をわかりやすく解説:インコタームズ、決済、輸送、通関、品質書類、樹脂、金属、化学品、農産物、エネルギー。
輸送・物流
FCL(コンテナ単位)と LCL(混載)
FCL はコンテナ1本を一荷主の貨物専用とし、工場でバンニング・封印して買主の倉庫で開封します。LCL は複数荷主の小口貨物を混載業者の倉庫で1本のコンテナにまとめ、m³ またはトン(大きい方)で課金されます。原材料取引では概ね10〜15m³を超えると FCL の方が安く安全で、LCL はサンプルや小口注文に向きます。
ISO タンクコンテナ
容量約20,000〜26,000リットルの再利用可能なタンク(通常ステンレス製)を、20フィートコンテナ寸法の鋼製フレームに収めたものです。化学品、溶剤、IMDG コードの危険物、食品グレードの液体に適し、加温ジャケット、耐圧、断熱などの仕様があります。毎回の積込み前に洗浄証明書 (ECD) が求められ、前荷(通常直近3回)の適合性が確認されます。
コンテナの種類(20フィート、40フィート、40HC、リーファー、オープントップ) 20’ / 40’ / 40’HC
20フィートコンテナ(約33m³、積載量約25〜28t)は金属、鉱物、袋詰め化学品など重く密度の高い貨物に、40フィート(67m³)と40フィートハイキューブ(40HC、76m³、約26t)はプラスチックペレット、繊維、発泡材など軽くかさばる貨物に向きます。実際には道路の重量制限の方がコンテナ容量より厳しいことが多いです。コールドチェーンにはリーファー、機械や大型品にはオープントップやフラットラック、液体にはタンクコンテナを使います。
サレンダー(テレックスリリース)とシーウェイビル
B/L 原本が買主に届くのを待たずに仕向地で貨物を引き渡す方法です。サレンダー(テレックスリリース)では船積港で原本を運送人に返却し、運送人が仕向地の代理店に引渡しを指示します。シーウェイビルは流通性のない運送書類で、記名された荷受人にそのまま引き渡されます。どちらも迅速ですが売主は貨物の支配を失うため、事前に代金回収を確保すべきです。
デマレージとディテンション
バラ積み輸送では、デマレージ(滞船料)はレイタイム超過時に傭船者が船主に支払う日額補償(例:1日15,000ドル)です。コンテナ輸送では、実入りコンテナがフリータイムを超えてターミナルに留まるとデマレージ、ターミナル外(買主の倉庫)でフリータイムを超えて保持するとディテンションが船会社から請求されます。通関遅延でこれらの費用は急増するため、運賃交渉時にフリータイム日数を明確にすべきです。
ドラフトサーベイ(喫水検量)
荷役前後に本船の喫水を6か所で読み取り、海水比重、バラスト、燃料、清水で補正して積揚げしたバラ積み貨物の重量を算出する方法です。石炭、鉱石、穀物、肥料では B/L 数量は通常この方法で決まり、精度は約±0.5%です。SGS、Intertek、Bureau Veritas などの独立検査機関が行うことで双方の信頼が高まります。
バラ積み貨物(ドライ・リキッド)
包装せずに船倉やタンクへ直接積み込む貨物で、穀物、石炭、鉄鉱石、スクラップ、肥料、セメントはドライバルク、原油、燃料、植物油、化学品はリキッドバルクです。船型はハンディサイズ(1.5〜3.5万DWT)、スープラマックス/ウルトラマックス(5〜6.4万)、パナマックス/カムサマックス(6.5〜8.2万)、ケープサイズ(10万DWT超)に分類されます。数量はドラフトサーベイや計量台で、品質は積揚げ時のサンプリングで決めます。
フォワーダー(貨物利用運送事業者)
荷主に代わり輸送を手配する会社で、運賃見積の取得、船舶や航空機のスペース予約、コンテナ・倉庫・陸送の手配、書類作成を行い、通関業者と連携することが多いです。自社名義の B/L(ハウス B/L)を発行するフォワーダーは NVOCC として運送人責任を負います。FIATA 加盟と賠償責任保険の有無は信頼できるフォワーダー選びの良い指標です。
フレキシタンク
標準的な20フィートドライコンテナ内に設置する使い捨ての多層ポリエチレン製バッグで、非危険物の液体を16,000〜24,000リットル輸送できます。植物油、グリセリン、ベースオイル、ラテックス、ワイン、シロップ、一部の非食品化学品では、ドラムや IBC よりリットル当たり大幅に安価です。危険物は輸送できず、食品の場合はバッグの食品適合証明とコンテナの清浄度を確認する必要があります。
フレコンバッグ (FIBC)
織りポリプロピレン製の大型袋で、通常500〜1,500kgのペレット、粉体、フレークを入れ、フォークリフトでループを吊って扱います。安全使用荷重 (SWL) と安全率(ワンウェイ5:1、リターナブル6:1)は ISO 21898 に従い表示します。可燃性粉体には静電気対策のタイプ B、C、D を選び、食品・医薬品には内袋付きの食品用バッグを使います。25kg袋に比べ包装と荷役のコストを下げられます。
運賃(フレート)
貨物輸送の対価として運送人に支払う料金です。コンテナは1本当たり(例:40フィートHCあたりUSD)、バラ積みはトン当たり(USD/t)、定期用船は日額傭船料(USD/日)で設定されます。基本運賃に燃料 (BAF)、通貨 (CAF)、ターミナル取扱 (THC)、混雑、戦争リスクなどのサーチャージが加わります。運賃市場は変動が大きく、Drewry、Freightos (FBX)、バルチック海運指数 (BDI) などで追跡されます。
荷役準備完了通知 (NOR)
船長または代理店が傭船者・買主に対し、本船が約定港に到着し、船倉清掃済み・許可取得済みなどあらゆる点で積揚げ準備が整ったことを書面で通知するものです。有効な NOR はレイタイム起算の前提条件です。実際には準備が整っていない状態で出された NOR は無効となり得て滞船料計算を変えるため、船倉検査報告書と併せて保管すべきです。
貨物海上保険
輸送中の貨物の滅失・損傷および関連費用に備える保険です。補償範囲は通常、協会貨物約款 (A、B、C) で定め、戦争・ストライキ危険は別約款で追加します。保険金額は一般に CIF 価額の110%です。どちらが付保するかはインコタームズで決まり、CIF と CIP 以外では輸送中の危険を負う当事者が自ら付保すべきです。保険金請求には鑑定報告書、B/L、インボイス、事故報告書が必要です。
共同海損 GA
船舶と貨物を共同の危険から救うために意図的に行った犠牲と費用(投荷、救助料、消火など)を、船舶と全荷主が価額に応じて分担する制度です。ヨーク・アントワープ規則に基づき精算されます。船主が共同海損を宣言すると、各荷受人は貨物引取り前に担保を提供する必要があり、保険未加入の買主は多額の現金供託を求められることがあります。
協会貨物約款 (A)(B)(C)
ロンドン保険市場で作成され世界標準となっている貨物保険条件です(最新版2009年)。(A) は免責事由を除くあらゆる損害を填補するオールリスク、(B) は火災、沈没、衝突、地震、落雷、海水浸入などの列挙危険、(C) は火災、爆発、沈没、座礁、衝突、共同海損など重大事故のみを担保します。盗難、濡れ損、荷役損害のリスクがある原材料には (A) が推奨されます。
船荷証券 (B/L) B/L
運送人が貨物の受取または船積を証明して発行する海上輸送の最重要書類です。貨物の受領証、運送契約の証拠、そして指図式で発行された場合は権利証券という三つの機能を持ちます。原本を呈示した者が貨物を受け取れるため、信用状や荷為替取立の基盤となります。「無故障船積」B/L は外観上良好な状態で船積されたことを示します。
停泊期間(レイタイム)
傭船者または買主が追加料金なしで船舶を積揚げに使用できる、契約で合意した時間です。通常「1日5,000トン SHINC」(日曜・祝日含む)や「SHEX」(除く)のように日当たり荷役量で示します。荷役準備完了通知 (NOR) の提出と合意した待機時間の経過後に起算されます。超過すれば滞船料、早く終われば合意があれば早出料 (despatch) が発生します。
燃料油割増 (BAF)
運送人が船舶燃料価格の変動を転嫁するため基本運賃に加える変動サーチャージです。通常シンガポールとロッテルダムの VLSFO 価格に応じて四半期または毎月改定されます。2020年の IMO 硫黄分0.5%規制以降、BAF は大きく上昇しました。運賃見積に BAF が含まれるか必ず確認してください。
傭船契約 (C/P) C/P
船主と傭船者の間で船舶の使用を定める契約です。航海傭船では特定の貨物を指定港間でトン当たり運賃で運び、定期傭船では日額傭船料で一定期間船を借り、裸傭船では乗組員なしで賃借します。GENCON、NYPE、ASBATANKVOY などの標準書式が使われます。バラ積みの売買契約は、荷役速度や滞船料を傭船契約と一致(バック・トゥ・バック)させて作成すべきです。